裁判員制度は刑事裁判を変えるか
陪審制度を求める理由(わけ)
序章 裁判員制度への疑問--次の世代に禍根を残さないために
1 裁判員は、裁判官と対等な立場で議論し判断できるか?
2 捜査・公判が現状のままで裁判員制度は機能するか?
3 「市民のための司法改革」からはほど遠い今回の司法改革
第1章 人の運命を左右する重大な決定--沖縄の陪審員体験から学んだもの
1 沖縄の陪審事情
2 被告人も陪審員もともに不安
3 陪審員の感覚や良心
第2章 病んでいる刑事裁判--えん罪を生む自白偏重
1 自白偏重はえん罪の要因
2 冤罪の構造
3 黙秘権と弁護人請求権
4 司法による厳しいチェック
5 蛸島事件から学ぶ
6 武装平等の原則
第3章 陪審裁判が日本の刑事裁判を変える--司法参加制度の一日も早い実現を
1 すし屋と裁判所
2 司法の空洞化
3 日本人の国民性と陪審制度
4 陪審制度の起原
5 陪審は強力な安全弁
6 陪審消極論
7 裁判官は神様か
第4章 正義の遅延は正義の否定--長期化する裁判
はじめに
1 明るい活気に満ち溢れたアメリカの裁判所
2 マクマーティン事件
3 甲山事件
4 迅速な裁判を受ける権利
第5章 シンプソン事件と陪審制度--無罪は人種的偏見によるのか
1 一一日間の陪審員体験が私を変えた
2 シンプソン事件の教訓
3 小陪審の役割
4 陪審制度をもつ社会と、もたない社会のどちらを選ぶか
第6章 法曹関係者は素人(市民)判断を軽視する--アメリカ法曹代表団の模擬陪審傍聴記
1 すばらしい試み
2 刑事模擬陪審
3 陪審員による評議
4 パネル・ディスカッション
5 素朴な感想
6 逆立ちした理論
対談1 裁判員制度は、陪審制度の一里塚になるか 四宮啓×伊佐千尋
対談2 裁判員制度は、刑事裁判の現状を変えるか 石松竹雄×伊佐千尋