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2017.07.05
冤罪司法の砦!ある医師の挑戦
奈良医大贈収賄事件
序章
第一部 奈良医大贈収賄事件
第一章 事件経過
一 東朋香芝病院開設と医師派遣(起訴第一事例「月々の振込」の顛末) 22
二 奈良医大への年末の挨拶と脳外科医の退職(起訴第二事例「五〇万円の歳暮」の顛末)
三 南海大学からの脳外科医派遣の中止
四 銀行振込み口座の変更
五 水沢昭市のこと
六 「余罪」の話
第二章 取調べ
一 自動進行
二 取調べの問題点
第三章 裁判
一 起訴
二 裁判を迎えるにあたって
三 私の問題
四 審理
第二部 司法の壁――判決の検討
第一章 贈賄の認識
一 本人の認識と供与の開始
二 捜査段階の供述
三 山形教授の実質的決定権
四 客観的事情について
五 山形教授の自由な使用という意味
第二章 寄附の手続
一 研究費等寄附金承認申請書の誤記と遡及等の取扱い不備
二 口座を記したメモ
三 寄附という形式の実益性
四 税務調査(交際費と帳簿外処理について)
第三章 寄附の中止と山形教授の給与アップ(口座変更)
一 口座の変更に「異議を述べていない」
二 源泉徴収
三 上乗せされた二〇万円についての山形の認識
四 給与アップの理由
五 奈良医大退官後の東朋香芝病院での報酬額の協議
第四章 「研究費等寄附金承認申請書」偽装の謀議の有無
第五章 平成一〇年一二月に山形教授に五〇万円が渡った件
一 被告人と関係者の供述・証言の食い違い
二 動機またはその背景
三 被告人の供述調書
四 弁護人の助言
五 財産的利益供与の相手方
第六章 教授の「職務権限」
第三部 有罪の構成の問題点
第一章 認定方法の誤り
第二章 つまみ食い判決と採証原則の逆転
第三章 論理矛盾
第四章 歪曲と捏造
一 帳簿外の処理
二 源泉徴収の指示に関する捏造
三 山形教授の尽力
第五章 供述調書と公判速記録の乖離と逆転
第六章 供述調書のもう一つの問題点
第七章 供述調書の横行
第八章 公判中の証人に対する検察の圧力
第九章 挙証責任の逆転
第一〇章 「共犯者」の証言の証拠能力
第一一章 裁判長の交替
第四部 日本司法の惨状――二大要因
第一章 デュープロセス(適正手続)からの逸脱
一 勾留
二 弁護人の立会い
三 黙秘権
四 保釈
五 公判中心主義の形骸化
第二章 裁判官の有罪主義
第五部 判決文
一審判決
二審判決
あとがき
奈良医大贈収賄事件 年表
解説 「精密司法」という名の冤罪生産システム