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2017.07.07
「解釈改憲=大人の知恵」という欺瞞
九条国民投票で立憲主義をとりもどそう
政権は「解釈改憲」で、ついに「集団的自衛権」を認めるに至った。しかしこの暴走の責任の一端は、あいまいな解釈改憲を「大人の知恵」と許容してきた側にも、あるのではないか。暴走を止めて侵略を許さないために、「予備的国民投票」を経たうえでの憲法改正を呼びかける。
憲法制定直後からあった自衛戦争論争
小泉首相が指摘した「欺瞞性」
「明文改憲」と「解釈改憲」
解釈合戦の果て──集団的自衛権
第2章 解釈改憲=大人の知恵
曖昧を通す「九条の会」
「大人の知恵」とは
内田樹の主張
加藤典洋の「自説転換」
護憲派「三点セット」
「安保容認・自衛隊合憲」護憲(条文護持)派の台頭
憲法の規範性を茶番化
護憲・改憲両派の「暗黙の合意」
九条賛成六五%の内実
護憲・改憲をめぐる分類表
厭戦的明文改憲派が形成されつつある
第3章 なぜ「大人の知恵」だったのか
連合国総司令部(GHQ)と極東委員会(FEC)
GHQ主導の憲法草案作り
「マッカーサーノート」
極東委員会での憲法・法改革に関する議論
米国占領下での国家再生
九条の本旨
芦田修正案とは
新憲法の再検討指示とマッカーサー、吉田のサボタージュ
「解釈改憲」の進行を危惧した護憲派の憲法改正案
第4章 「解釈改憲」の始まり
朝鮮戦争が解釈改憲に舵を切らせ、「警察予備隊」を誕生させる
一進一退の攻防
九条維持のままの「再軍備」指令とコワルスキーの証言
マッカーサーの変節
マッカーサー解任
激しい国会論戦
二つに一つ
日本のメディアの姿勢
「再軍備」に対する国民の意思
社会党の変節
有事関連三法案(「武力攻撃事態法案」「自衛隊法改正案」「安全保障会議設置法改正案」)
第5章 欺瞞の殻から脱して道理ある道へ
九条の解釈合戦はもうやめよう
国民投票での決着を求める声が広まりつつある
改憲の是非を問う国民投票の前に予備的国民投票を
現行九条護持派の限界
国会の多数派が決めず国民投票で決着を
欺瞞の殻から脱して真っ当な道へ
九条から離れて考えよう
鶴見俊輔(哲学者)の国民投票観