新刊

非行少年のためにつながろう!

少年事件における連携を考える

非行少年のためにつながろう!

困難に直面した非行少年を、さまざまな人々の連携でサポートする。

著者 岡田 行雄 編著
ジャンル 法律 > 少年法 > 専門書
出版年月日 2017/02/22
ISBN 9784877986674
判型・ページ数 A5・208ページ
定価 本体2,600円+税
在庫 在庫あり

この本に関するお問い合わせ・感想

非行少年が立ち直るために必要な、様々な分野の担い手と家庭裁判所との連携。あるべき連携を作り上げていくには、どのような取り組みがなされねばならないのか。事例に基づき、考える。

 少年法は少年の健全育成に向けて、家庭裁判所と児童相談所を中心とする児童福祉の担い手との間の連携を想定している。それだけでなく、家庭裁判所による調査、観察のため、警察官、保護観察官などに対して必要な援助をさせたり、家庭裁判所がその職務を行うにあたって、学校や病院などに協力を求めたりする形で、様々な連携を行えるような規定を用意している。
 加えて、現実には、発達障がいに苦しむ少年のように、その少年が直面している困難を、家庭裁判所調査官が少年司法に直接関わる機関とつながるだけでは十分に理解できないという問題も認識されるようになってきた。このような場合、少年司法手続の様々な場面で医療機関や臨床心理士などと連携して適切な処遇が見出すことが必要になる。
 しかし実際に、家庭裁判所調査官が、少年司法に直接関わる警察、検察、少年鑑別所、保護観察所などの諸機関の担い手とだけでなく、とりわけ様々な困難を抱えた少年が非行を疑われたり、実際に非行があるとして、それからの立ち直りに向けた処遇を選択したりする必要があるときに、上に挙げた少年司法に直接関わる機関以外に属する、広い意味での少年司法の担い手とどのように連携しているのか、そしてそもそも、そうした連携がどのようになされるべきなのかということは、従来必ずしも十分に明らかにされてきたとは言えない。
 そこで、本書では、警察、検察、家庭裁判所、少年鑑別所、保護観察所、少年院といった少年司法に直接関わる諸機関の働きだけでは、その成長発達を実現することが困難であると考えられる非行少年たちを念頭に置いて、少年司法における就労支援、教育、医療、社会福祉などの諸機関の担い手の連携の在り方、あるべき連携を実現するための諸課題、そしてそうした諸課題への取組みを明らかにする。

【執筆者】
岡田行雄(熊本大学教授)
野口義弘(野口石油代表取締役社長、福岡県協力雇用主会会長)
知名健太郎定信(弁護士・福岡県弁護士会)
松村尚美(弁護士・熊本県弁護士会、熊本少年友の会職親の会事務局)
廣田邦義(臨床心理士・元家庭裁判所調査官)
安西敦(弁護士・香川県弁護士会)
鴨志田祐美(弁護士・鹿児島県弁護士会)
古田哲朗(弁護士・熊本県弁護士会)
小坂昌司(弁護士・福岡県弁護士会)
鍵本薫(高松家庭裁判所丸亀支部主任家庭裁判所調査官)

はじめに

第1部 就労支援に向けた連携事例と連携の課題

インタビュー 野口義弘さんに聞く
インタビュアー:岡田行雄(熊本大学教授)
野口さんと非行少年との出会い/非行少年が教えてくれたこと/少年を失望させずに居場所を作る/少年たちと従業員の成長/元非行少年を信じる/就労支援制度/弁護士への注文/様々な機関への注文/連携のために大事なこと/将来に向けて

付添人による就労支援と事業者との連携の課題
——福岡県での実践から考える
知名健太郎定信(弁護士)
付添人による就労支援/就労支援事業者機構との連携による就労支援/更生支援のインフォメーションセンターとしての役割/今後の就労支援拡大のための課題/最後に

熊本職親の会の活動を通した
非行少年の就労事例と就労における課題
松村尚美(弁護士、熊本少年友の会職親の会事務局)
職親の会とは/職親の会発足の経緯/家庭裁判所との関係/職親側の課題/少年側の課題/就労事例/少年を更生させるもの/職親の会の今後の展開


第2部 教育機関との連携事例と連携の課題

少年と保護者参加のケース会による連携
——生き生きとした非行少年と「冷凍パック状態」の非行少年の事例を通して
廣田邦義(臨床心理士、元家庭裁判所調査官)
はじめに/事件発生/中学校/警察/児童相談所/家庭裁判所/校内ケース会/その後/最後に

付添人と教育機関との連携事例と課題
安西敦(弁護士)
付添人の環境調整における教育機関との連携/ケース1:中学校における触法事件について、学校と連携して学校への復帰を模索したケース/ケース2:小学校における触法事件において、中学校の入学先変更等を調整したケース/ケース3:高校において退学処分を防止し、学校への復帰を計ったケース/各ケースを経ての考察

第3部 医療・福祉機関との連携事例と連携の課題

被疑者弁護から少年審判後に至るまでの連携と協働
鴨志田祐美(弁護士)
事件の発生/Aくんの生い立ちと障がいについて/被疑者段階の弁護活動/家裁送致と付添人活動/審判後の「見守り」活動/まとめにかえて

「子どもの司法と精神保健・福祉を考える会(熊本)」について
古田哲朗(弁護士)
はじめに/勉強会の発足の経緯/運営方法/効果/課題/最後に

児童福祉との連携
小坂昌司(弁護士)
ケース:Aさんの事例——審判まで/少年司法と児童福祉/非行少年の暮らす場所/ケース:Aさんの事例——審判以後/非行少年に対する福祉的措置の必要性/各機関の連携の必要性と連携における課題

少年司法における福祉機関との連携の在り方
——障がいのある少年の事例を中心に
岡田行雄(熊本大学教授)
福祉機関と刑事司法との連携に対するイメージ/福祉機関の担い手から提案されている少年司法における連携/弁護士から寄せられる疑問の声/福祉機関に潜むパターナリズム/少年事件における福祉機関との連携への危惧/弁護士付添人と福祉機関とのあるべき連携/家庭裁判所と福祉機関とのあるべき連携

第4部 ドイツにおける関係機関の連携

ドイツの少年司法における関係機関の連携
——「少年法の家」を中心とする諸機関連携に学ぶ
岡田行雄(熊本大学教授)
ドイツの少年司法とその特徴/犯罪を重ねるドイツの少年/「少年法の家」調査の狙い/各地の少年法の家/ドイツの少年法の家に関する評価/民間機関としてのコトブス少年法の家(Cottbuser Jugendrechtshaus)/ドイツ少年司法における諸機関連携から見える論点と問題点/ドイツから学ぶべきこと

第5部 少年司法における関係諸機関の連携に向けた
理論的・実践的課題

処遇が難しい少年事件についての一考察
——関係機関との連携を軸として
鍵本薫(高松家庭裁判所丸亀支部主任家庭裁判所調査官)
はじめに/ケース:帰る場所のない少年/連携について日頃感じる課題

少年司法における諸機関連携にあたっての課題への取組み
岡田行雄(熊本大学教授)
はじめに——論点の整理/何のための連携か?——少年法とその上位規範からの要請/どのような連携であるべきか?/連携において重要なこと/連携の核となるのは誰か/非行少年の成長発達に向けた連携のために/スムーズな情報交換に向けて/連携の改善に向けた検証

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