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2017.07.28
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『なんで、「あんな奴ら」の弁護ができるのか?』装画家・個展のご案内
2017.07.20
なんで、「あんな奴ら」の弁護ができるのか?
「なぜ、あんな奴らの弁護ができるのか?」
すべての刑事弁護人はこの質問を受ける。家族から、友人から、ありとあらゆる人たちから……。この疑問は刑事弁護人にとって、“お定まりの質問”として知られている。そして、この“お定まりの質問”に対する唯一の正しい解答はない。
もっとも、一人ひとりの刑事弁護人は、その仕事を行うにあたって“お定まりの質問”に対する自身の答えを持っている。本書は、この“お定まりの質問”に対するアメリカの刑事弁護人の回答を集めたコレクションである。執筆者は、経験豊富で思慮深い刑事弁護人および教育者たちである—―老いも若きも、女性も男性も、白人も黒人も交じっている。
執筆者は、簡潔にかつ力強く、各自が「あんな奴ら」を弁護する理由を語っている。
【訳者略歴】
村岡啓一(むらおか・けいいち)
白鴎大学法法学部教授。1974年3月一橋大学法学部卒。1976年4月弁護士登録(札幌弁護士会)。2001年7月一橋大学大学院法学研究科博士後期課 程修了(法学博士)。2002年4月一橋大学法学研究科教授。主な翻訳に、リチャード・ズィトリン他『アメリカの危ないロイヤーたち――弁護士の道徳指 針』(現代人文社、2012年)がある。
今村文彦(いまむら・ふみひこ)
一橋大学法学部卒、2015年3月一橋大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。2011~2015年一橋大学職業倫理教育プロジェクト・コーディネーター。主な著作として、「法曹倫理の構造――専門職倫理アプローチによる分析」(博士号申請論文)がある。
大橋君平(おおはし・くんぺい)
弁護士(東京弁護士会)、ニューヨーク州弁護士、東京大学法学部卒業、コロンビア大学ロースクールLL.M.取得。東京弁護士会刑事弁護委員会副委員長。ブロンクス・ディフェンダーズにてインターンを経験。
四宮啓(しのみや・さとる)
弁護士(東京弁護士会)。94~95年まで、カリフォルニア大学バークリー校ロースクール客員研究員として、アメリカの陪審制度を調査研究。日弁連司法改革調査室長、司法制度改革推進本部「裁判員制度・刑事検討会」委員等を歴任。著書に、『O.J.シンプソンはなぜ無罪になったか――誤解されるアメリカの陪審制度』(現代人文社、1997年)ほか。
田鎖麻衣子(たぐさり・まいこ)
弁護士(第二東京弁護士会)。東京大学法学部卒。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程修了(法学博士)。特定非営利活動法人監獄人権センター事務局長、一橋大学法学研究科非常勤講師。
和田恵(わだ・めぐみ)
弁護士(東京弁護士会)、ニューヨーク州弁護士、一橋大学法学部卒業、UC Hastings College of the Law卒業(LL.M.刑事法専修)。東京弁護士会刑事弁護委員会副委員長。San Francisco Pubilic Defender's Officeにてインターンを経験。主な著書に『刑事弁護ビギナーズver.2』(現代人文社、2014年)等がある。
(バーバラ・バブコック/訳:村岡啓一)
Chapter2.どうして、こんな人々を起訴できるのか?
(ポール・バトラー/訳:和田恵)
Chapter3.なぜ、あんな奴らの弁護ができるのか?
(タッカー・キャリントン/訳:大橋君平)
Chapter4.神の恵みがなければ、我が身も同じ
(アンジェラ・J・デイヴィス/訳:田鎖麻衣子)
Chapter5.なぜ私は有罪の者と無罪の者を同じように弁護するのか
(アラン・M・ダーショウィッツ/訳:四宮啓)
Chapter6.「あんな奴ら」を弁護することが、なぜ、本質的なことなのか
(モンロー・H・フリードマン/訳:村岡啓一)
Chapter7.公民権を擁護すること
(ヴィーダ・B・ジョンソン/訳:村岡啓一)
Chapter8.「私たち」と「あんな奴ら」についての考察
(ジョセフ・マグリーズ/訳:今村文彦)
Chapter9.人生の破壊——国家が殺害をもくろむとき
(ウィリアム・R・モントロス, Jr. &メーガン・シャピロ/訳:田鎖麻衣子)
Chapter10.「あんな奴ら」とは我々のことだ
(アン・ローン/訳:大橋君平)
Chapter11.性犯罪者を弁護するということ
(デヴィッド・A・シングルトン/訳:和田恵)
Chapter12.どうして、こんな人々を弁護せずにいられるのか?
(アビー・スミス/訳:田鎖麻衣子)
Chapter13.フェアプレイ
(ロビン・スタインバーグ/訳:大橋君平)
Chapter14.弁護すること……今もなお
(マイケル・E・タイガー/訳:村岡啓一)
Chapter15.アメリカだけではない——自由な民主主義社会において「あんな奴ら」を弁護することの必要性
(アリス・ウーリー/訳:今村文彦)