刑事司法と精神鑑定
「刑事司法と精神医療」の問題に早くから関心を寄せ、弁護実践を行ってきた弁護士の著作集。刑事事件における責任能力や訴訟能力と精神鑑定の問題について、著作や講演録を集めた。帝銀事件や光市母子殺害事件など数々の事件を担当してきた中で得た知見だけでなく、古今東西の精神医学者や哲学者から学び続けた、この分野の第一人者の「骨太な思考」。「共産党スパイ査問事件」「弘前大学教授夫人殺し事件」「オウム真理教事件」といった著名事件での精神鑑定をめぐる問題についても検討した。
第1部 精神鑑定と刑事司法 |
第1章 精神医学と精神鑑定
第2章 精神鑑定・情状鑑定・犯罪心理鑑定―裁判員裁判における重罪事件の弁護のために
第3章 刑事責任能力―鑑定と処遇の諸問題
第4章 弁護活動と精神医学
第2部 精神鑑定の誤用・悪用と誤判
第5章 鑑定の誤用―共産党スパイ査問事件から
第6章 鑑定の悪用―弘前大学教授夫人殺し事件から
第3部 自白過程の鑑定
第7章 拘禁反応下の自白
第8章 異常心理体験下の自白
第4部 刑事裁判と訴訟能力
第9章 刑事裁判と訴訟能力
第10章 被疑者の訴訟能力
第5部 オウム真理教事件に見る精神鑑定
第11章 集団事件における鑑定の採否
第12章 麻原彰晃被告人の訴訟能力