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和歌山カレー事件で、鑑定人に対して損害賠償を求めて提訴
和歌山カレー事件(1998年)で、3月29日、和歌山地裁は林眞須美さんの再審請求を棄却した。林さんは即時抗告したが、同時に一審死刑判決の決め手となったヒ素の鑑定(検察側請求)が虚偽などとして、鑑定をした大学教授ら2人に計6500万円の損害賠償を求めて提訴した。
つまり、虚偽の鑑定が裁判官の有罪とする事実誤認を導いた、そのことによって林さんは精神的苦痛を蒙ったというものである。再審請求中に、こうした不法行為に基づく民事訴訟が提起された例はこれまでにない。
上記大学教授らの鑑定が「虚偽」であるとの意見書を提出したのが、X線分析の専門家の河合潤・京都大学工学部教授である。河合教授は、季刊刑事弁護で「連載 鑑定不正の見抜き方」と題して、和歌山カレー事件の鑑定を中心に、鑑定問題を詳しく論じている(84号~89号)。また、河合教授は、ヤフー知恵袋でも回答している。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10166953385
弁護団は、この鑑定の不正について、再審の即時抗告審と民事裁判の2つの場で徹底的に争い、再審決定を獲得するかまえである。