免田事件——7月で、初の死刑再審無罪から34年

 朝日新聞の「あのとき それから」で免田事件がとりあげられていた(2017年5月10日付夕刊4面)。死刑囚として獄中にあった免田栄さんは、1983年7月15日、再審で無罪判決を言い渡されて、34年半ぶりに解放された。それから34年が経った。現在、免田さんは91歳になったという。

 当時、この事件を取材していた熊本日日新聞の高峰武さんがコメントを寄せている。「ぼくたちは忘れっぽい。免田さんが生きている、それ自体が無言の戒めです。あの事件を忘れてはいかん、と」。

 高峰さんらが中心となって冤罪の構造を徹底的に迫ろうとした熊本日日新聞の連載記事は『検証・免田事件』(1984年、日本評論社)として出版された。その後しばらく品切れであったが、2009年に小社から、再審無罪判決を言い渡した元裁判長のインタビューなどをあらたに追加して、『新版検証・免田事件』として復活した。

 死刑再審四事件がすべて無罪となったが、いまだ冤罪の構造はなくならない。そして、免田さんの「人間回復」の闘いは今も続いている。

朝日新聞20170510免田事件

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